要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」

都道府県・政令指定都市等の人事委員会69か所へ要望書を送付

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2021年12月8日

都道府県等 人事委員会 

人事委員会委員長 ○○ 様 

要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

代表 渡辺百合子

 日頃から、住民サービスの重要な担い手である地方公務員に関し、民主的で公正かつ能率的な人事行政を推進いただき感謝申し上げます。
 私たちは、非正規公務員の待遇改善に取り組むため、非正規公務員やその経験者を中心に、研究者も参加して立ち上げた全国組織です。
 はむねっとでは、今年4月30日から6月4日にかけ、全国の公務非正規労働従事者を対象にインターネットでアンケートを行いました。1,252件の有効回答の内、45.8%の人がメンタル不調を訴え、93.5%が将来への不安を感じているという結果が出ています。また、会計年度任用職員の女性857人を抽出した分析では、年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)であり、勤務時間数を減らしてフルタイムからパートに置き換えられた、月額を減額することで手当を支給されていると回答がありました。そこで、9月7日から19日に該当者に追加インタビュー調査を行い検証を行ったところ、次のような声が寄せられました。
 「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた。(シングルマザー)」「これまでの給与には期末手当が含まれていたと言われ、月額が3万円も減った。」「フルタイムが30分短くなり、退職金が支給されない。」「交通費を支給することになったと時間給が減額され、徒歩通勤のため給与が減った。」「コロナ下で事業が中止等になり、出勤時間が減り減額となった。」「職務経験を考慮した給料表となっていない、専門性に適正にお金を払ってもらいたい。」「毎年試用期間があることが納得できない。私たちの仕事は、補助的な仕事でなく、専門職。」「給料が安いので、若い方がこの資格を取り相談員になりたいと思わない、多くの市町村で、有資格者の相談員が集まらず、欠員。」「任期付き任用職員制度を会計年度任用職員制度に置き換えるため、年収が100万円減額になると言われた。」「公務員としての恩恵は全く受けることができない一方で、労働組合法の下の権利は認められないという状況に置かれている。」
 はむねっとは、これらの不利益変更、半数にメンタル不調、ほぼ全員に将来不安を感じさせるような原因の根本は、会計年度任用職員制度の制度設計にあると考え、先日、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣あてに要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」を、男女共同参画・女性活躍担当大臣あてに要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」を提出したところです。

【参考】公務非正規労働従事者への緊急アンケート第一次結果報告
    要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」
    要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください

 さて、先日、人事院勧告を政府が受け入れ、国家公務員の令和3年度の期末・勤勉手当を0.15か月分引き下げることを決めたとの報道がありました。それを受け、各都道府県・政令指定都市人事委員会からも、同様に、地方公務員の期末・勤勉手当を引き下げる方向であることが報道されています。
 このことについて、以下の質問及び要望をいたします。

 ご多用のところ恐縮ですが、2022年1月21日(金)までに、同封の返信用封筒にてお返事をいただければ幸いです。
 なお、本要望書は、各都道府県と各政令指定都市等の人事委員会に提出するとともに、全国にいる公務非正規労働従事者とこの問題を注視している住民全体に対して周知するため、はむねっとのホームページ上で公開し、マスコミ各社へプレスリリースしています。ご回答についても、すべての人事委員会について公開する予定です。

【質問及び要望事項】
1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)

(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は
女性です。シングルマザーからは、「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと 役所が思っているのをひしひしと感じた」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、貴委員会のご見解をお聞かせください。

(2)このたびの貴委員会勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれていますか。

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について(要望)

(1)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員
の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

(2)もともと待遇不均等である上に、期末手当の減額のみ、「平等」に扱わないでください。それは、公正な処遇ではありません。

連絡先:メール:hiseiki.koumu@gmail.com

電話:080-3442-6007

渡辺百合子