「大量離職通知書」にかかわる厚生労働省との懇談会報告をまとめました

2023年7月6日にもった「大量離職通知書」にかかわる厚生労働省との懇談内容について、録音に基づき当日の要旨を作成しました。


◆懇談日時:2023 年7月6日(木)13 時~14 時
◆懇談場所:厚生労働省12 階会議室
◆参加者:厚生労働省 職業安定局 首席職業指導官室 職業紹介係長
     厚生労働省 職業安定局 首席職業指導官室 職業紹介第3 係長
     非正規公務員の雇用安定を考える懇談会 4人

1 事前質問と回答
<経過について>
① 自治体への通知が当初の発出予定(4 月から5 月にかけて)から大幅に遅れた理由を教えて下さい。
→年度末・年度当初で他の業務等もあったため。

② 総務省との調整のポイントはどこだったのでしょうか。また、調整に当たった担当組織及び方法や回数についても教えて下さい。
→厚生労働省は会計年度任用職員制度等公務員制度を所管していないため、自治体へ周知するに当たり、適切に伝わるよう(所管部局である)総務省公務員課と用語の整理などを行った。
→回数など詳細については行政内部のことであり、回答を控える。

③ 会計年度任用職員の「離職者となる対象者」の変遷理由について、改めて伺います。
「全員」 → 「公募対象者」 → 「公募不合格者」
→制度の趣旨に鑑み、対象となる範囲について実際に仕事を失ってしまう方に限定することとした。大量離職が発生した場合の対応としては、円滑な再就職支援を行うことが重要である。再度の任用がされた方についてはハローワークの支援は必要があるわけではない。また今回、30 人未満の離職についても、任意ではあるが提出をお願いしており、離職する可能性がある方まで含めて把握すると、新に離職する方への支援が滞ってしまうおそれがある。

<通知内容について>
① 自治体への周知を図る具体的な時期はいつになりますか。また、文書通知となるのでしょうか。
→来年度末に向けて計画的に対応することを指示した。自治体、労働局の状況で随時・適宜行う。
→文書だけか対面かにかかわらず、しっかり周知を行う。

② リーフレット改訂のポイントを教えて下さい。
→「大量離職通知書」を提出しなければならない場合の囲み部分に(以下)を追記。

※ただし、任用期間満了後に再度任用されることが決定された者は、離職者に該当せず、選考等の結果、離職することが確定した者が離職者に含まれます。

→囲み以外には(以下)を追記。

※30人未満の離職者が生じる場合については、「大量離職通知書」の提出義務はありませんが、一定程度の規模の離職が予定されており、再就職先が確保されていない場合には、円滑に再就職支援を行う必要があるため、ハローワークに「大量離職通知書」の提出等についてご相談ください。

③ 最終的に「公募不合格者」に絞り込まれたこととなりますが、「公募を経ずに再度任用されたもの」は「更新」と判定して、「離職者」から外した、と理解してよいでしょうか。
→あくまで大量離職通知書制度の枠組みで考えたもの。「更新」と判定したということではなく、実際に離職していないこと及び制度の趣旨を踏まえ、対象から外したもの。

④ 「提出基準に満たなくとも「一定規模」の場合は連絡する」とありますが、その目安人数と趣旨を教えて下さい。
→任意のお願いであり、目安人数を示すものではない。大量離職の趣旨に則り雇用の安定と円滑な再就職に資するものとして、幅広の提出をお願いするもの。

⑤ 「非常勤の一定規模の離職」に前広に備える、とありますが、その目安人数と趣旨を教えて下さい。
→上記④と同様に、雇用の安定と円滑な再就職支援という趣旨であり、目安人数を示すものではない。

⑥ 「今後の情勢により」、「集計を指示する可能性」とありますが、どのような情勢を想定されていますか。
→一番の目的は再就職支援が届くことであり、現時点で想定しているものがあるわけではない。統計的な集計が目的ということではない。

<今後について>
① 相当な件数が上がってくると思われますが、ハローワークの体制についてお聞かせください。
→大量離職通知書により大量離職が発生することが分かった時点で、ハローワークから労働局に報告、応援体制をつくる。雇用保険の受給資格確認の次が就職支援となると思う。その状況に合わせて人員・体制を整えていく。該当ハローワークで収まらなければ、他のハローワークから人を手当てすることもある。

② 「業務取扱要綱」は入手できますか。
→「業務取扱要領」のことであれば、公開はしていない。

2 当日の追加質問と要望
<追加質問>
① 「離職者」を再確認したい。常勤職員の「定年退職者」と「再任用退職者」、有期雇用の「期間満了退職者」は全員ということだったが?
→定年退職者も、再任用が決まっていれば、大量離職通知書の対象ではない。
→「任期付き職員」や「臨時職員」などの雇用形態には関係なく、66カ月以上働いた人が期間満了で離職する場合には「離職者」に該当する。
→自己都合退職は判断が難しいが(パワハラによる退職は会社都合)、期間満了となった場合は、自己都合退職であっても対象となる。
→支援の目的が離職者の支援であることを踏まえた変更である。

② 任用期間満了時に公募に応募したくないと自ら辞めた人も該当することで間違いないか?
→任命権者に引き続き雇用されるものではないため、「離職者」に該当する。

③ 3月に公募選考の合否が判明する自治体も多くある。1ヶ月前の2月には次年度の雇用が確定していない。このような場合はどのように届け出ればよいのか?
→判明した時点で提出してもらうこととなる。
→(当日回答できなかった点の補足回答)離職が生じる1か月前の時点で判明している状況を提出していただく必要がある。

④ 2月中に公募選考の合否通知を出すよう自治体に強く求められないか?
→地方公共団体の任用に係る問題であり厚生労働省としてお答えはできない。
再質問:解雇予告は地方公務員は適用。大量離職通知が「事後」から「事前届け出」に改正されたときに解雇予告との関係で「1ヶ月以上前に」と理解している。
→(当日回答できなかった点の補足回答)制度所管部局ではないため正確ではないかもしれないが、任用期間の満了であれば、解雇予告は必要ないと理解している。

⑤ 「更新」の考え方について、厚生労働省の担当部署はどこになるのか
→労働基準法の所管ということであれば、労働基準局になる

⑥ 理研の届書では、肝心の再就職先の確保欄が空欄であった。それがそのままハローワークに受理されたということなので実効性を確保するためには、何らかの措置が必要なのではないか。
→時間の都合上、回答する時間はなし
→(当日回答できなかった点の補足回答)一般論として、再就職先の確保欄が空欄であることについて、制度上、問題はない。

<要望>
① はむねっと調査でも、3月公募、選考、結果発表という自治体も多くある。再就職支援どころか業務の引継ぎや年休消化すらできない。法で決められていることでもあり、2月提出を各自治体に強く周知してほしい。

② 総務省は、今回の事務連絡で「大量離職通知書を提出いただいているところ」と書いている。法に定められているのに出していないとは書けなかったのだろう。
また、10年続けて働いていても、「年度ごとに任用される新しい職員、毎年の条件付き採用期間」という世間的に通用しない考え方をしている。厚生労働省は年休とか社会保障面では継続として扱っているので、任用についてもっと総務省に要求してほしい。
最後にリーフレットの⑦、⑧にある「再就職支援措置」と「再就職先確保の状況」について、自治体の使用者責任として、記載することを強く促していただきたい。

③ 厚労省の「障害者差別禁止指針(平27 厚労省告示第116号)」や「男女差別禁止指針(平27 厚労省告示第458号)」などに「更新の定義」があり、「『労働契約の更新』とは、期間の定めのある労働契約について、期間の満了に際して、従前の契約と基本的な内容が同一である労働契約を締結することをいう」とされている。また、地方公務員には適用されないが、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」により有期契約のルールが定められている。

地方公務員法にも、会計年度任用や臨時的任用や定年退職者再任用や任用付任用の条項に「更新」の記載があり、自治体も交付する義務のある「労働条件通知書」には「更新の有無」と「更新の際の判断事項」の記載欄がある。しかし、総務省は「再度の任用で更新ではない」との解釈を自治体に強いている。

「労働施策総合推進法」にある「不安定雇用の是正」目的達成のために、総務省に対して、「再度の任用は労働法上は更新である」と伝えていただきたい。
→(要望事項ではあるが、当日の回答)「更新」の内容については総務省所管であるため、要望含めて直接総務省等へお伝え願いたい。

以上