1789(いちななはちきゅう)プロジェクト・経過報告(2023年5月25日)

◆1789プロジェクトの趣旨
はむねっとは、関係する諸団体の協力を得て、関係省庁に要望書を提出し、2022年11月9日に院内集会を開催しました。この活動を経て、国だけではなく、自治体への働きかけも必要と判断し、「1789プロジェクト」と名付けて、「会計年度任用職員の不安定雇用問題に対する緊急要望書」と、「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)2022年調査結果報告」を、1789か所(全国の地方自治体1788の首長・議会議長及び人事委員会もしくは公平委員会と特別区人事委員会)に、関係団体の協力を得て郵送しました。これを一つの契機として全国各地で運動が広がることを期待しています。

◆これまでの反響
2022/12/21~2023/5/25まで170自治体(首長部局17、議会事務局153、公平委員会4、議員4)
※県内市町村含め、反応がない県4(山梨県、島根県、山口県、大分県)

・文書回答あり
13(石狩市,山形県大石田町,つくば市等公平委員会,板橋区,三鷹市,青梅市,多治見市,三重県,泉大津市,大東市,宝塚市,丹波篠山市,名護市)
・議会で国への意見書採択 8(男鹿市, 秋田県井川町, 福島県川俣町,埼玉県杉戸町,長野県南相木村,高知県東洋町,高知県本山町,沖縄県伊平屋村)
・3月議会上程、継続審議1(沖縄県)
・議会で要望書不採択1(壱岐市)
・審議未了、廃案2(網走市、高知県黒潮町)
・その他議会での対応(議長供覧 51、全議員に配布 74、各会派に送付 2、議会に上程せず 4)
・議員が議会質問(当該議員等から連絡があったもの) 3(福島県南会津町,埼玉県吉見町,箕面市)

1789プロジェクト 自治体からの回答(随時更新中)

回答を寄せていただいた自治体等の文書をこちらに掲載させていただきます。お忙しい中、回答をお寄せいただいた団体に感謝申し上げます。

秋田県井川町からの回答(2023年3月31日)★意見書が採択されました!

三重県からの回答(2023年3月31日)

長崎県壱岐市からの回答(2023年3月23日)

長野県南相木村からの回答(2023日3月20日)★意見書が採択されました!

秋田県男鹿市からの回答(2023年3月17日)★意見書が採択されました!

福島県川俣町からの回答(2023年3月16日)★意見書が採択されました!

高知県山本町からの回答(2023年3月16日)★独自の意見書採択のお知らせがありました!

沖縄県伊平屋村からの回答(2023年3月16日)★意見書が採択されました!

福島県川俣町からの回答(2023年3月16日)★意見書が採択されました!

東京都三鷹市からの回答(2023年3月6日)

兵庫県宝塚市からの回答(2023年2月21日)

茨城県つくば市等公平委員会からの回答(2023年2月22日)

兵庫県丹波篠山市からの回答(2023年2月20日)

大阪府大東市からの回答(2023年2月13日)

山形県大石田町からの回答(2023年2月1日)

青梅市からの回答(2023年1月13日)

多治見市からの回答(2023年1月10日付)

石狩市からの回答(2023年1月5日付)

名護市からの回答(2023年1月4日付)

全都道府県・市町村と特別区人事委員会に緊急要望書を送りました!

この度、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)では、<1789(いちななはちきゅう)プロジェクト>と名付けて、全国の地方自治体1788と特別区人事委員会、合わせて、1789か所に、「会計年度任用職員の不安定雇用問題に対する緊急要望書」と、「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)2022年調査結果報告」を送付しました。

送付した要望書は下記の通りです。

送付文書(鏡文)
要望書(人事委員会)
要望書(公平委員会)
要望書(首長宛て)
要望書(議長宛て)

封入した書類
封入した書類
封入作業風景
封入作業風景
要望書を入れた段ボールの山
要望書を入れた段ボールの山

◆プロジェクトの背景
はむねっとでは、昨年と今年の二度に渡り、非正規公務員を対象とした調査を行い、全国の当事者と対話を重ねてきました。その結果、雇用の不安定さに強い不安を感じる、低い賃金、待遇が固定化しており、無力感や絶望を感じるという声が全国であがっていることが明らかになりました。

こうした不安の声は、全国で、「会計年度任用職員」として働く、保育士や司書、学芸員、社会教育施設や女性関連施設の職員、児童相談所や女性相談センター、消費生活センター等々の相談員、学校教員、給食調理員、また、役所で事務職として働く人たちから上がってきています。

恒常的に必要で職員の継続性の中でこそ充実が図られる公務の仕事は、本来、単年度任用の職ではなく、働き手が安心して働き、暮らしていける職に位置付けられるべきです。そして、現状のような、不安定にも関わらず、責任は課せられ、多くの場合は低賃金で、働き手としての尊厳も守られない職では、人が定着せず、公共サービスの不安定化が避けられないと私たちは考えています。

さらに、今年は、会計年度任用職員制度がはじまって3年目となっており、総務省がつくった事務処理マニュアルの例示、「再度の任用を行うことができるのは原則2回まで」にならい、年度末にかけて、数十万人の「雇止め/公募」が行われる見込であることも明らかとなっています。

私たちは、会計年度任用職員の任用に、3年で公募が必要とする法的義務も根拠もなく、公募なしに任用する自治体もあれば上限年数を定めていない自治体もあることから、せめても、継続を希望する会計年度任用職員について、一律の「公募」を辞め、希望者が、安心して働くことができるような方策を取るよう求めました。加えて、処遇格差の是正や抜本的な制度改正を求める動きを、地方から起こしてもらいたいという願いを込め、要望書を提出しました。

会計年度任用職員制度の見直しにつながる運動が、全国各地で、さらに、広がることを、切に願っています。

院内集会後の活動~全国の自治体に要望書を発送~

以下の取り組みを、院内集会後の活動として行います。
全国の自治体に要望書を発送するのは、12月18日です。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
   1789(いちななはちきゅう)プロジェクト 始動!
   ~公務非正規・当事者の声を自治体へ届けよう!!~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
個人で、組合で、議員を通して、聞いてみて下さい、活用して下さい

みなさま

 公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)では、昨年と今年の二度に渡り、非正規公務員を対象とした調査を行いました。
調査結果から、会計年度任用職員制度によって、当の会計年度任用職員の雇用の安定だけでなく、公務の充実や持続可能性の観点からも多大な問題が生じていることが見えてきました。


そこで、関係する諸団体の協力を得て、関係省庁に要望書を提出し、11月9日に院内集会を開催するなどの活動を経て、国だけではなく、自治体への働きかけも必要と判断しました。


更に、この取り組みを「1789プロジェクト」と名付けて、「会計年度任用職員の不安定雇用問題に対する緊急要望書」と、「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)2022年調査 結果報告」を、1789か所(全国の地方自治体1788と特別区人事委員会)に郵送するとともに、非正規公務員と住民に対して周知するため、はむねっとのホームページで公開し、マスコミ各社へプレスリリースすることにしました。

要望書は、各自治体の首長、議会議長及び人事委員会・公平委員会に宛て、12月18日に発送予定です。封入や発送作業は、相当な作業量になりますが、これまでも共に活動をつくってきた方々の協力をいただき行う予定です。18日以降に要望書の内容を、はむねっとホームページでも公表します。

皆さんにお願いです!!
はむねっとの予算で要望書は送付できますが、回答を返信していただく郵券までは準備できませんでした。


そこで、要望書が届いたころを見計らって、皆さんがそれぞれの自治体で、はむねっとからの要望書は届いたか、どのように対応するのかを問い合わせてください。地域にお住いの皆さんのお声がけが大きな力になって、会計年度任用職員制度の見直しにつながる運動が全国各地で広がることを期待しています。ご一緒に運動を広げていきましょう。

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)代表 渡辺百合子

要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」の回答が来ました

内閣府男女共同参画・女性活躍担当大臣宛ての要望書への回答がメールにて送られてきました。(要望書はこちら

◆内閣府 男女共同参画局からのメール回答

【回答】
我が国の男女間賃金格差については、長期的には改善傾向にあるものの、諸外国と比較するとその差は依然として大きいものと認識しています。また、女性の人生や家族の姿が多様化する中で、女性が経済的に自立することは大変重要な課題です。その中で、ご指摘の男女間の賃金格差については、政府としては更なる改善が必要と考えており、その是正に向けて取り組んでいきます。

よろしくお願いします。

内閣府 男女共同参画局 総務課調整係

※はむねっとが出した質問及び要望事項

1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)
(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は女性です。「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた(シングルマザー)」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、国のご見解をお聞かせください。
(2)第5次計画の推進体制の中に位置づけられている男女共同参画センターの職員やDV防止法・婦人保護事業の中でDV被害者を支援する者として位置づけられている婦人相談員などは、ほとんどが非正規職員として勤務していることがわかっています。男女局で平成20年に実施された「男女共同参画センター等の職員に関するアンケート結果について」のような、実態把握のための調査を実施される予定の有無について、その理由とともにご教示ください。
(3)今後、民間非正規女性労働者における処遇が改善されるにしたがい、(1)(2)で言及した職を含む公務非正規職を担うものが居なくなる懸念について、公務・公共の重要な住民サービスの持続可能性について、どのようにお考えか、国のご見解をお聞かせください。

2.女性労働における非正規職問題の議論における、公務部門の非正規職を対象とした課題の把握と改善について(要望)
(1)第5次男女共同参画基本計画の推進状況を監視する立場にある計画実行・監視専門調査会の中で、公務部門の非正規職の賃金格差や処遇について、議論の俎上にのせてください。
(2)女性活躍推進法の特定事業主とされている地方公共団体の公表すべき項目の中に、非正規公務員(会計年度任用職員、任期付き職員、臨時職員など)の内訳と男女別割合を入れてください。

要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」の回答が来ました

2021年12月8日付け要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」の回答が来ました

都道府県、政令指定都市の人事委員会のみなさま、大変ご多用のなか、ご回答いただきまして、ありがとうございました。回答の一覧は、こちらからご覧ください。

要望書は、こちらからご覧ください。

また、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の回答に対するコメントについては、こちらからご覧ください。

人事委員会回答についてコメント

2021年12月8日付けで、全国の人事委員会委員長あてに要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」を送付しました。2022年2月2日までに、全ての人事委員会から返信されました。お忙しい中、対応してくださった人事委員会の担当者の方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 送付数:69、回収率:98.6%(回答数:68、回答なし:1)

 回答については、一覧にまとめました。全都道府県と政令指定都市等68の人事委員会から寄せられた回答です。各地の人事委員会の見解を注視していただき、実際に期末手当の減額があったかどうかについても検証が必要と考えます。

 人事委員会の権限は、地方公務員法第8条第2項において、「人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、研修、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること」と定められています。しかし、この度の見解を見る限り、「①任命権者が、総務省からの通知や事務処理マニュアルを踏まえ、②地方公務員法に規定される職務給の原則、均衡の原則等に基づき、類似する職務に従事する常勤の職員の給与を基礎とし、③職務内容や責任の程度、職務経験等の要素を考慮し、④適切に決定していると考えている」との定型回答です。「女性差別ともいえる賃金格差についての見解」については、「採用について、性別にかかわりなく均等な機会を提供」との、残念ながら見当違いの見解しか得られませんでした。なお、北海道人事委員会では「その職の業務内容が定型的、補助的であることや責任の程度が常勤職員とは異なるものであること」と明記されていることが特徴的でした。

 一方、「中立かつ公正な第三者機関である人事委員会の使命」「不合理な取扱いが行われないよう継続して検討していくことが必要」などと追記が5人事委員会(神奈川県、福岡県、千葉市、静岡市、浜松市)でした。

 勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれるかという問いには、「含まれる・含まれない」との2択回答を想定しましたが、複数の回答がありました。「含まれない」60(内訳:言及していない24、含まれない18、勧告していない9、対象としていない9)、「含まれる」8(内訳:含まれる4、言及している2、常勤と同一の取扱い2)、回答なし1。また、「含まれない」との趣旨の回答をした19で「任命権者の決定あるいは、条例で決まっているため減額」と追記がありました。また、2人事委員会(鳥取県、福岡県)では、「特別給について、会計年度任用職員には期末手当のみの支給であること」を言及しています。

【「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」要望内容】

人事院勧告(国家公務員の令和3年度の期末・勤勉手当を0.15か月分引き下げる)を受け、各都道府県・政令指定都市人事委員会からも、同様に、地方公務員の期末・勤勉手当を引き下げる方向であることが報道されていることから、次の質問及び要望を行ったものです。

【質問及び要望事項】

1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)

(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は女性です。シングルマザーからは、「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと 役所が思っているのをひしひしと感じた」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、貴委員会のご見解をお聞かせください。

(2)このたびの貴委員会勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれていますか。

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について(要望)

(1)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

(2)もともと待遇不均等である上に、期末手当の減額のみ、「平等」に扱わないでください。それは、公正な処遇ではありません。

【参考】地方公務員法

(人事委員会又は公平委員会の権限)

第八条 人事委員会は、次に掲げる事務を処理する。

二 人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、研修、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること。

五 給与、勤務時間その他の勤務条件に関し講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告すること。

九 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。

十 職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決をすること。

十一 前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。

十二 前各号に掲げるものを除く外、法律又は条例に基きその権限に属せしめられた事務

要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」

都道府県・政令指定都市等の人事委員会69か所へ要望書を送付

PDFファイル(317kb)は、こちらから。

二次元バーコード記載版(PDFファイル 274kb)は、こちらから。 両面印刷して配布されるときは、こちらが便利です。

2021年12月8日

都道府県等 人事委員会 

人事委員会委員長 ○○ 様 

要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

代表 渡辺百合子

 日頃から、住民サービスの重要な担い手である地方公務員に関し、民主的で公正かつ能率的な人事行政を推進いただき感謝申し上げます。
 私たちは、非正規公務員の待遇改善に取り組むため、非正規公務員やその経験者を中心に、研究者も参加して立ち上げた全国組織です。
 はむねっとでは、今年4月30日から6月4日にかけ、全国の公務非正規労働従事者を対象にインターネットでアンケートを行いました。1,252件の有効回答の内、45.8%の人がメンタル不調を訴え、93.5%が将来への不安を感じているという結果が出ています。また、会計年度任用職員の女性857人を抽出した分析では、年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)であり、勤務時間数を減らしてフルタイムからパートに置き換えられた、月額を減額することで手当を支給されていると回答がありました。そこで、9月7日から19日に該当者に追加インタビュー調査を行い検証を行ったところ、次のような声が寄せられました。
 「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた。(シングルマザー)」「これまでの給与には期末手当が含まれていたと言われ、月額が3万円も減った。」「フルタイムが30分短くなり、退職金が支給されない。」「交通費を支給することになったと時間給が減額され、徒歩通勤のため給与が減った。」「コロナ下で事業が中止等になり、出勤時間が減り減額となった。」「職務経験を考慮した給料表となっていない、専門性に適正にお金を払ってもらいたい。」「毎年試用期間があることが納得できない。私たちの仕事は、補助的な仕事でなく、専門職。」「給料が安いので、若い方がこの資格を取り相談員になりたいと思わない、多くの市町村で、有資格者の相談員が集まらず、欠員。」「任期付き任用職員制度を会計年度任用職員制度に置き換えるため、年収が100万円減額になると言われた。」「公務員としての恩恵は全く受けることができない一方で、労働組合法の下の権利は認められないという状況に置かれている。」
 はむねっとは、これらの不利益変更、半数にメンタル不調、ほぼ全員に将来不安を感じさせるような原因の根本は、会計年度任用職員制度の制度設計にあると考え、先日、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣あてに要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」を、男女共同参画・女性活躍担当大臣あてに要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」を提出したところです。

【参考】公務非正規労働従事者への緊急アンケート第一次結果報告
    要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」
    要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください

 さて、先日、人事院勧告を政府が受け入れ、国家公務員の令和3年度の期末・勤勉手当を0.15か月分引き下げることを決めたとの報道がありました。それを受け、各都道府県・政令指定都市人事委員会からも、同様に、地方公務員の期末・勤勉手当を引き下げる方向であることが報道されています。
 このことについて、以下の質問及び要望をいたします。

 ご多用のところ恐縮ですが、2022年1月21日(金)までに、同封の返信用封筒にてお返事をいただければ幸いです。
 なお、本要望書は、各都道府県と各政令指定都市等の人事委員会に提出するとともに、全国にいる公務非正規労働従事者とこの問題を注視している住民全体に対して周知するため、はむねっとのホームページ上で公開し、マスコミ各社へプレスリリースしています。ご回答についても、すべての人事委員会について公開する予定です。

【質問及び要望事項】
1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)

(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は
女性です。シングルマザーからは、「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと 役所が思っているのをひしひしと感じた」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、貴委員会のご見解をお聞かせください。

(2)このたびの貴委員会勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれていますか。

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について(要望)

(1)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員
の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

(2)もともと待遇不均等である上に、期末手当の減額のみ、「平等」に扱わないでください。それは、公正な処遇ではありません。

連絡先:メール:hiseiki.koumu@gmail.com

電話:080-3442-6007

渡辺百合子

要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」

総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、男女共同参画・女性活躍担当大臣あてに要望書を送付

PDFファイルは、下から。

男女共同参画・女性活躍担当大臣あて、こちら

添付資料(調査結果概要)は、こちら

2021年11月26日

男女共同参画・女性活躍担当大臣 野田聖子様

要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

代表 渡辺百合子

 

 日頃から、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」に基づきジェンダー平等に向けた取り組みをいただき感謝申し上げます。
 男女共同参画会議の下に設置されている有識者委員による専門調査会「計画実行・監視専門調査会」などで、男女間賃金格差の現状、非正規労働者への支援、求職者支援制度、ひとり親支援などについて有識者委員による議論がすすむことを注目しております。
私たちは、非正規公務員の待遇改善に取り組むため、非正規公務員やその経験者を中心に、研究者も参加して立ち上げた全国組織です。
 はむねっとでは、今年4月30日から6月4日にかけ、全国の公務非正規労働従事者を対象にインターネットでアンケートを行いました。1,252件の有効回答の内、45.8%の人がメンタル不調を訴え、93.5%が将来への不安を感じているという結果が出ています。また、会計年度任用職員の女性857人を抽出した分析では、年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)であり、勤務時間数を減らしてフルタイムからパートに置き換えられた、月額を減額することで手当を支給されていると回答がありました。そこで、9月7日から19日に該当者に追加インタビュー調査を行い検証を行ったところ、次のような声が寄せられました。
 「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた。(シングルマザー)」「これまでの給与には期末手当が含まれていたと言われ、月額が3万円も減った。」「フルタイムが30分短くなり、退職金が支給されない。」「交通費を支給することになったと時間給が減額され、徒歩通勤のため給与が減った。」「コロナ下で事業が中止等になり、出勤時間が減り減額となった。」「職務経験を考慮した給料表となっていない、専門性に適正にお金を払ってもらいたい。」「毎年試用期間があることが納得できない。私たちの仕事は、補助的な仕事でなく、専門職。」「給料が安いので、若い方がこの資格を取り相談員になりたいと思わない、多くの市町村で、有資格者の相談員が集まらず、欠員。」「任期付き任用職員制度を会計年度任用職員制度に置き換えるため、年収が100万円減額になると言われた。」「公務員としての恩恵は全く受けることができない一方で、労働組合法の下の権利は認められないという状況に置かれている。」
 総務省は、制度移行に伴う対応について地方自治体に調査を行い、概ね趣旨に沿った運用がなされていると結論づけていますが、当事者を対象としたはむねっと調査からは、制度移行によって生じた不利益変更は、総務省の「概ね趣旨に沿った運用がなされている」との結論で片付けられるものではないと言わざるを得ません。まず、不利益変更を行った自治体はかなり広範に及んでいると思われます。次に、仮に総務省の言うように概ね趣旨に沿った運用がなされているのだとしても、一部であれ趣旨に沿っていない運用があったことを認めている以上、その不利益変更を被った者に対する手当等を国自ら早急に行う、あるいは、当該自治体に行うよう指導ないしは技術的助言を行うべきではないでしょうか。
 はむねっとは、これらの不利益変更、半数にメンタル不調、ほぼ全員に将来不安を感じさせるような原因の根本は、会計年度任用職員制度の制度設計にあると考えます。

【参考】公務非正規労働従事者への緊急アンケート第一次結果報告

 上記を踏まえ、以下の要望を提出いたします。
 ご多用のところ恐縮ですが、2022年1月14日までに、同封の返信用封筒にてお返事を頂ければ幸いです。
 なお、総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣には、別添の要望書を提出するとともに、全国の公務非正規労働従事者とこの問題を注視している国民に周知するため、はむねっとのホームページ上で公開し、マスコミ各社へプレスリリースしています。本要望書についても、同様の扱いとします。

【質問及び要望事項】
1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)
(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は女性です。「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた(シングルマザー)」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、国のご見解をお聞かせください。
(2)第5次計画の推進体制の中に位置づけられている男女共同参画センターの職員やDV防止法・婦人保護事業の中でDV被害者を支援する者として位置づけられている婦人相談員などは、ほとんどが非正規職員として勤務していることがわかっています。男女局で平成20年に実施された「男女共同参画センター等の職員に関するアンケート結果について」のような、実態把握のための調査を実施される予定の有無について、その理由とともにご教示ください。
(3)今後、民間非正規女性労働者における処遇が改善されるにしたがい、(1)(2)で言及した職を含む公務非正規職を担うものが居なくなる懸念について、公務・公共の重要な住民サービスの持続可能性について、どのようにお考えか、国のご見解をお聞かせください。

2.女性労働における非正規職問題の議論における、公務部門の非正規職を対象とした課題の把握と改善について(要望)
(1)第5次男女共同参画基本計画の推進状況を監視する立場にある計画実行・監視専門調査会の中で、公務部門の非正規職の賃金格差や処遇について、議論の俎上にのせてください。
(2)女性活躍推進法の特定事業主とされている地方公共団体の公表すべき項目の中に、非正規公務員(会計年度任用職員、任期付き職員、臨時職員など)の内訳と男女別割合を入れてください。

連絡先:メール:hiseiki.koumu@gmail.com


【添付資料】
総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣には以下の要望書を提出しています。

要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」

【質問及び要望事項】
(質問)
1.制度移行時の不利益変更への対応について

(1)一部であっても、制度の趣旨に沿っていない運用が見られた自治体について、その後の是正状況について、国として把握されているのかをご教示ください。
(2)はむねっとの調査からは、「年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)」でした。このような「年収も月収も減った」という待遇面の変化については、現行制度の趣旨に沿った運用なのかどうか、国のご見解をお聞かせください。
(3)会計年度任用職員制度の施行に伴う期末手当の支給等に要する経費について、「地方財政計画に1,738億円計上し、地方交付税措置を講ずる」(総務省自治財政局財政課令和2年1月24日付事務連絡「令和2年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」)こととされていましたが、令和2年度における執行額及び執行率を教えてください。

(要望)
2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について

(1)非正規公務員の経験や専門性は、今や住民サービスの維持に欠かせません。その職が必要かどうかを検討すれば、ほとんどの職は会計年度任用職員制度の範疇外になると思います。継続して必要とされる職について、会計年度で任用を限るのではなく、一般の労働法制にある「無期転換権」の導入などの、安心して業務にあたれるような制度設計を検討してください。
(2)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」

総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、男女共同参画・女性活躍担当大臣あてに要望書を送付

PDFファイルは、それぞれ下から。

総理大臣あて、こちら

総務大臣あて 、こちら

厚生労働大臣あて 、こちら

添付資料(調査結果概要)は、こちら

2021年11月26日

内閣総理大臣 岸田文雄様

要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

代表 渡辺百合子

 
 日頃から、政策実行に全力を挙げて取り組んでいただき感謝申し上げます。
 私たちは、非正規公務員の待遇改善に取り組むため、非正規公務員やその経験者を中心に、研究者も参加して立ち上げた全国組織です。また、代表の渡辺は広島県呉市で生まれ、高校生まで広島県内各地で教育を受けて育ちましたので、故郷でもある首相の選挙区には特に親しみがあります。
 首相は2021年11月10日の記者会見で、「人への投資を抜本的に強化するため・・・予算を大胆に投入し、職業訓練や能力開発、正社員化や処遇改善への支援を拡充いたします。女性、高齢者が活躍しやすい職場環境づくりを進めてまいります。同時に、公的部門での分配を強化いたします。民間における賃上げに先んじて、看護、介護、保育、幼稚園などの現場で働いている方々の給与を増やしてまいります。」と述べておられ、非正規労働者、女性、高齢者に特に言及されています。
 はむねっとでは、今年4月30日から6月4日にかけ、全国の公務非正規労働従事者を対象にインターネットでアンケートを行いました。1,252件の有効回答の内、45.8%の人がメンタル不調を訴え、93.5%が将来への不安を感じているという結果が出ています。また、会計年度任用職員の女性857人を抽出した分析では、年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)であり、勤務時間数を減らしてフルタイムからパートに置き換えられた、月額を減額することで手当を支給されていると回答がありました。そこで、9月7日から19日に該当者に追加インタビュー調査を行い検証を行ったところ、次のような声が寄せられました。
 「これまでの給与には期末手当が含まれていたと言われ、月額が3万円も減った。」「フルタイムが30分短くなり、退職金が支給されない。」「交通費を支給することになったと時間給が減額され、徒歩通勤のため給与が減った。」「コロナ下で事業が中止等になり、出勤時間が減り減額となった。」「職務経験を考慮した給料表となっていない、専門性に適正にお金を払ってもらいたい。」「毎年試用期間があることが納得できない。私たちの仕事は、補助的な仕事でなく、専門職。」「給料が安いので、若い方がこの資格を取り相談員になりたいと思わない、多くの市町村で、有資格者の相談員が集まらず、欠員。」「任期付き任用職員制度を会計年度任用職員制度に置き換えるため、年収が100万円減額になると言われた。」「公務員としての恩恵は全く受けることができない一方で、労働組合法の下の権利は認められないという状況に置かれている。」
 総務省は、制度移行に伴う対応について地方自治体に調査を行い、概ね趣旨に沿った運用がなされていると結論づけていますが、当事者を対象としたはむねっと調査からは、制度移行によって生じた不利益変更は、総務省の「概ね趣旨に沿った運用がなされている」との結論で片付けられるものではないと言わざるを得ません。まず、不利益変更を行った自治体はかなり広範に及んでいると思われます。次に、仮に総務省の言うように概ね趣旨に沿った運用がなされているのだとしても、一部であれ趣旨に沿っていない運用があったことを認めている以上、その不利益変更を被った者に対する手当等を国自ら早急に行う、あるいは、当該自治体に行うよう指導ないしは技術的助言を行うべきではないでしょうか。
 はむねっとは、これらの不利益変更、半数にメンタル不調、ほぼ全員に将来不安を感じさせるような原因の根本は、会計年度任用職員制度の制度設計にあると考えます。

【参考】公務非正規労働従事者への緊急アンケート第一次結果報告

 上記を踏まえ、以下の要望を提出いたします。
 ご多用のところ恐縮ですが、2022年1月14日までに、同封の返信用封筒にてお返事を頂ければ幸いです。
 なお、本要望書は総務大臣、厚生労働大臣にも提出するとともに、全国の公務非正規労働従事者とこの問題を注視している国民に周知するため、はむねっとのホームページ上で公開し、マスコミ各社へプレスリリースしています。男女共同参画・女性活躍担当大臣には別添の要望書としました。

【質問及び要望事項】
1.制度移行時の不利益変更への対応について(質問)

(1)一部であっても、制度の趣旨に沿っていない運用が見られた自治体について、その後の是正状況について、国として把握されているのかをご教示ください。
(2)はむねっとの調査からは、「年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)」でした。このような「年収も月収も減った」という待遇面の変化については、現行制度の趣旨に沿った運用なのかどうか、国のご見解をお聞かせください。
(3)会計年度任用職員制度の施行に伴う期末手当の支給等に要する経費について、「地方財政計画に1,738億円計上し、地方交付税措置を講ずる」(総務省自治財政局財政課令和2年1月24日付事務連絡「令和2年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」)こととされていましたが、令和2年度における執行額及び執行率を教えてください。

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について(要望)
(1)非正規公務員の経験や専門性は、今や住民サービスの維持に欠かせません。その職が必要かどうかを検討すれば、ほとんどの職は会計年度任用職員制度の範疇外になると思います。継続して必要とされる職について、会計年度で任用を限るのではなく、一般の労働法制にある「無期転換権」の導入などの、安心して業務にあたれるような制度設計を検討してください。
(2)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

連絡先:メール:hiseiki.koumu@gmail.com


【添付資料】
男女共同参画・女性活躍担当大臣には以下の要望書を提出しています。

要望書「女性の非正規職問題の対象に、公務部門の非正規職も入れてください」

【質問及び要望事項】
(質問)
1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について
(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は女性です。「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと役所が思っているのをひしひしと感じた(シングルマザー)」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、国のご見解をお聞かせください。
(2)第5次計画の推進体制の中に位置づけられている男女共同参画センターの職員やDV防止法・婦人保護事業の中でDV被害者を支援する者として位置づけられている婦人相談員などは、ほとんどが非正規職員として勤務していることがわかっています。男女局で平成20年に実施された「男女共同参画センター等の職員に関するアンケート結果について」のような、実態把握のための調査を実施される予定の有無について、その理由とともにご教示ください。
(3)今後、民間非正規女性労働者における処遇が改善されるにしたがい、(1)(2)で言及した職を含む公務非正規職を担うものが居なくなる懸念について、公務・公共の重要な住民サービスの持続可能性について、どのようにお考えか、国のご見解をお聞かせください。

(要望)
2.女性労働における非正規職問題の議論における、公務部門の非正規職を対象とした課題の把握と改善について
(1)第5次男女共同参画基本計画の推進状況を監視する立場にある計画実行・監視専門調査会の中で、公務部門の非正規職の賃金格差や処遇について、議論の俎上にのせてください。
(2)女性活躍推進法の特定事業主とされている地方公共団体の公表すべき項目の中に、非正規公務員(会計年度任用職員、任期付き職員、臨時職員など)の内訳と男女別割合を入れてください。