要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」の回答が来ました

2021年12月8日付け要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」の回答が来ました

都道府県、政令指定都市の人事委員会のみなさま、大変ご多用のなか、ご回答いただきまして、ありがとうございました。回答の一覧は、こちらからご覧ください。

要望書は、こちらからご覧ください。

また、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の回答に対するコメントについては、こちらからご覧ください。

人事委員会回答についてコメント

2021年12月8日付けで、全国の人事委員会委員長あてに要望書「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」を送付しました。2022年2月2日までに、全ての人事委員会から返信されました。お忙しい中、対応してくださった人事委員会の担当者の方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 送付数:69、回収率:98.6%(回答数:68、回答なし:1)

 回答については、一覧にまとめました。全都道府県と政令指定都市等68の人事委員会から寄せられた回答です。各地の人事委員会の見解を注視していただき、実際に期末手当の減額があったかどうかについても検証が必要と考えます。

 人事委員会の権限は、地方公務員法第8条第2項において、「人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、研修、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること」と定められています。しかし、この度の見解を見る限り、「①任命権者が、総務省からの通知や事務処理マニュアルを踏まえ、②地方公務員法に規定される職務給の原則、均衡の原則等に基づき、類似する職務に従事する常勤の職員の給与を基礎とし、③職務内容や責任の程度、職務経験等の要素を考慮し、④適切に決定していると考えている」との定型回答です。「女性差別ともいえる賃金格差についての見解」については、「採用について、性別にかかわりなく均等な機会を提供」との、残念ながら見当違いの見解しか得られませんでした。なお、北海道人事委員会では「その職の業務内容が定型的、補助的であることや責任の程度が常勤職員とは異なるものであること」と明記されていることが特徴的でした。

 一方、「中立かつ公正な第三者機関である人事委員会の使命」「不合理な取扱いが行われないよう継続して検討していくことが必要」などと追記が5人事委員会(神奈川県、福岡県、千葉市、静岡市、浜松市)でした。

 勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれるかという問いには、「含まれる・含まれない」との2択回答を想定しましたが、複数の回答がありました。「含まれない」60(内訳:言及していない24、含まれない18、勧告していない9、対象としていない9)、「含まれる」8(内訳:含まれる4、言及している2、常勤と同一の取扱い2)、回答なし1。また、「含まれない」との趣旨の回答をした19で「任命権者の決定あるいは、条例で決まっているため減額」と追記がありました。また、2人事委員会(鳥取県、福岡県)では、「特別給について、会計年度任用職員には期末手当のみの支給であること」を言及しています。

【「令和3年度の職員の期末・勤勉手当に関する減額勧告について、会計年度任用職員を対象としないでください」要望内容】

人事院勧告(国家公務員の令和3年度の期末・勤勉手当を0.15か月分引き下げる)を受け、各都道府県・政令指定都市人事委員会からも、同様に、地方公務員の期末・勤勉手当を引き下げる方向であることが報道されていることから、次の質問及び要望を行ったものです。

【質問及び要望事項】

1.国及び自治体が女性差別、働く貧困層を作り出しているのではないかとの懸念について(質問)

(1)総務省が2020年4月1日現在で行った調査によると、会計年度任用職員の76.6%は女性です。シングルマザーからは、「女性は、扶養の範囲内で働ければいいと 役所が思っているのをひしひしと感じた」という声も寄せられています。女性差別ともいえる賃金格差について、貴委員会のご見解をお聞かせください。

(2)このたびの貴委員会勧告における減額の対象に、会計年度任用職員は含まれていますか。

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について(要望)

(1)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員の説明のつかない待遇不均等を是正し、給与等の均等待遇を検討してください。

(2)もともと待遇不均等である上に、期末手当の減額のみ、「平等」に扱わないでください。それは、公正な処遇ではありません。

【参考】地方公務員法

(人事委員会又は公平委員会の権限)

第八条 人事委員会は、次に掲げる事務を処理する。

二 人事評価、給与、勤務時間その他の勤務条件、研修、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること。

五 給与、勤務時間その他の勤務条件に関し講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告すること。

九 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。

十 職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決をすること。

十一 前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。

十二 前各号に掲げるものを除く外、法律又は条例に基きその権限に属せしめられた事務