公共図書館や学校図書館で働いている70%以上は非正規雇用職員です。低賃金、短時
間勤務、有期雇用などの劣悪な待遇であるにもかかわらず、図書館を利用する市民や子供
たちに向き合い、専門的な仕事にあたっています。今まで、本人たちのやる気で支えられ
ているものの、やる気だけでは長続きしません。
この間行われた3つの調査から、その実態を知り、そうした状況の改善に向けた取り組
みを探る集会にしたいと考えます。
はむねっとも実行委員会メンバーです。是非ご参加ください。
◆開催日時:2024年6月6日(木)15:30~18:30
◆開催方法:会場及びオンライン(ユーチューブ配信)
・会場:衆議院第2議員会館多目的会議室(会場定員100名、参加無料)
申込フォーム:https://forms.gle/9Bx1JCViQHNPZqmi7(事前申し込み)
・オンライン: https://youtube.com/live/4ejvkTfsWOo?feature=share(後日視聴可)
◆集会チラシ
https://www.jla.or.jp/Portals/0/data/iinkai/seisakukikaku/20240606innai.pdf
◆プログラム
・主催者挨拶
・図書館調査報告
①公共図書館職員調査:図書館友の会全国連絡会
②学校図書館職員調査:日本図書館協会非正規雇用職員に関する委員会
③令和 5 年度公立学校における学校司書の配置状況に関する調査:文部科学省
・当事者からの発言
①公共図書館から
②学校図書館から
・国会議員挨拶、実行委員会参加団体からの報告、会場発言など
・アピール採択
◆主催:「 これでいいのか図書館 担い手にまっとうな待遇を求める院内集会」実行委員会
実行委員会構成:日本図書館協会/図書館問題研究会/学校図書館問題研究会/ 官製ワーキ
ングプア研究会/公務非正規女性全国ネットワーク/図書館友の会全国連絡会/ 学校図書館
を考える全国連絡会/上林陽治(立教大学特任教授)/日向良和(都留文科大学教授)
◆後援:(公社)全国学校図書館協議会 /親子読書地域文庫全国連絡会/文字・活字文化推
進機構
2024年5月23日「女性の権利を国際基準に!これでいいの?日本のジェンダー不平等!国会議員とNGOの街頭リレートーク」はむねっと発言
こんにちは。私達は「はむねっと」です。本日は、女性差別撤廃条約実現をめざす街頭リレートークに参加させていただきありがとうございます。
正式名称は公務非正規女性全国ネットワーク はむねっと で、非正規公務員の当事者団体です。公務員の「公」の字を上下に分けるとカタカナの「ハ」と「ム」になることから名前をつけました。
さて、東京新聞2024年5月9日に 退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 という記事が出ました。総務省の調査で、1日の勤務時間を基準より約15分だけ短くされ、退職金が出ない非正規公務員が約5万8000人いることがわかったという内容です。
ちなみに、同じ調査によると、地方自治体で働く非正規職員は合計で121.9万人です。正規職員は約280万人なので、非正規が非常に多くなっていることがわかります。なかには、非正規のほうが正規よりも多い自治体もあります。非正規職員は、市役所や区役所、図書館、学校、保育園など、ありとあらゆる部署にいます。そして、その8割が女性です。ソーシャルワーカーなど、様々な相談員もほとんどが非正規です。
はむねっとは、非正規公務員の扱いを、社会問題として見える化するために、2021年から調査・発信・国との懇談などを行ってきました。2024年もアンケート調査を行うため、現在、準備を進めています。
非正規の何が問題なのか。
まず、賃金が安いです。たいていのところで正規職員の新卒1年目より低く設定されています。すごいベテランでも、正規職員に仕事を教えるような人でもそうです。生活を支えるにはかつかつ、あるいはそれ以下の金額です。そして、雇用が不安定です。どんな専門的な仕事をしている人でも、地域の人に頼りにされていても、1年契約です。
なぜこういうことになっているのか。
行政が取り組むべき地域の課題は、社会の複雑な変化によって変わっていきますが、それに対応する人員を正規職員として雇わず、場当たり的に非正規で補充してきました。その多くが地域や近隣の女性で、行政は、家計補助的な立場だろうと決めつけ、スキルや経験を全く評価しない、低賃金かつ不安定雇用の扱いをしています。待遇が悪ければ、普通はサービスの質が保てなくなりますが、多くの現場では働く人の熱意でギリギリキープされています。これは、地域で働く女性の尊厳を行政が傷つけ、搾取しているということです。
さらに、2020年度に、会計年度任用職員という制度が導入されました。待遇を改善するため、という触れ込みでしたが、実際には、期限を設けて雇い止めをしやすくしたり、退職金をなくしたり、という姑息なことが各地で行われています。
私自身、今年の3月に自治体の男女センターを雇い止めされました。そのとき、子どもに「一生懸命仕事しても、お母さんみたいにやめさせられるってこと?」ときかれました。悲しいですが現状の答えは「Yes」です。
非正規公務員問題は、性差別と雇用差別が複合しています。自治体で働く非正規公務員に女性が多いのは、家族のケアなどの負担や時間的制約から、近くで働くことを優先した結果です。非正規公務員として働く母親の処遇は、地域の子どもたちのまなざしにさらされています。これでどうして将来の働き方や職業選択、そして自分のまちに希望を持てるでしょうか。自治体が、そのまちの女性や子どもたちの生きる希望を奪っているのです。
退職金を削るために勤務時間を15分だけ縮めるような姑息なことをやめ、培ったスキルや地域のネットワークをみすみす捨てるような雇い止めをせず、安心して働ける職場にすることを強く望みます。女性差別撤廃条約の選択議定書の批准は、そのあと押しになると期待しています。はむねっとはこれからも、街頭リレートークの活動に連帯していきます。ご清聴ありがとうございました。 (古川晶子)