要望書「会計年度任用職員制度を見直してください」に対する回答がありました

総務省、厚生労働省からの回答を下記に掲載します。また、男女共同参画・女性活躍担当大臣 宛ての要望書回答は遅れる旨連絡がありましたので、届き次第改めてお知らせします。

◆総務省からの文書回答

令和4年1月21日

公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)

代表 渡辺百合子 様

先般ご質問等ありました件について、以下のとおり回答いたします。

質問 (1) について

会計年度任用職員制度については、臨時・非常勤職員の適正な任用と適正な処遇を確保する観点から導入したものであり、各地方公共団体において、制度の趣旨に沿った運用が図られるよう、これまでも助言を行ってきたところです。

これまでの助言に基づく地方公共団体の対応状況については、概ね、助言内容 に基づく適正な運用が図られていますが、令和3年4月1日時点においても対応が十分ではない状況が一部で見られたことから、本年1月に、改めて運用の適正化に関する助言を行ったところです。

総務省としては、今後も、任用と処遇の適正化が図られるよう取り組んでまいりたいと考えています。

質問(2)について

会計年度任用職員の給料・報酬については、以下のとおり助言をしております。①会計年度任用職員の給与水準については、地方公務員法に定める均衡の原則などの給与決定原則を踏まえ、基本的に当該会計年度任用職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号給の給料月額を基礎として、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識、技術及び職務経験等の要素を考慮すべきものであるため、これと異なる取扱いを行っている団体は、適切な措置を講ずること。

②単に財政上の制約のみを理由として、期末手当の支給について抑制を図ることや、新たに期末手当を支給する一方で給料や報酬について抑制を図ることは、改正法の趣旨に沿わないものであるため、こうした取扱いを行っている団体は、適切な措置を講ずること。

各地方公共団体においては、上記助言を踏まえて、適切に対応していただきたいと考えております。

また、総務省としても、会計年度任用職員制度が適正かつ円滑に運用されるよう、引き続き必要な助言を行うなど、適切に取り組んでまいります。

質問 (3) について

普通交付税は、基準財政需要額と基準財政収入額の差し引きにより各地方団体の交付税額を算定する仕組みであるとともに、使途の制限のない一般財源で あることから、ご質問の執行額や執行率という概念が存在しないため、お答えしかねます。

なお、会計年度任用職員制度の導入に伴い新たに必要となる期末手当等の経費については、令和2年度の地方財政計画において、全国の地方団体に対して行った調査の結果を踏まえ、所要額として 1,738 億円を計上しており、普通交付税の算定においても、適切に反映しています。

要望 (1) について

地方公務員の任用については、「任期の定めのない常勤職員」や「臨時・非常勤職員」などの中から、各地方公共団体が職務の内容等に対応して、適切な制度を活用して行われるべきものです。

なお、無期雇用転換制度については、国家公務員と同様、地方公共団体の常勤職員についても競争試験による採用が原則とされ、厳格な成績主義が求められ ていることから、地方公共団体の臨時・非常勤職員が常勤職員に採用される場合には、競争試験などにより常勤職員としての能力実証を改めて行う必要があり、 一定期間勤務を継続したことのみをもって常勤職員に転換することは困難と考えています。

要望 (2)について

各地方公共団体においては、上記質問(2)に記載しました、助言を踏まえ、適切に対応していただきたいと考えています。

総務省としても、会計年度任用職員制度が適正かつ円滑に運用されるよう、引き続き必要な助言を行うなど、適切に取り組んでまいります。

ご質問(1)、(2) 、ご要望について

  (総務省公務員部公務員課・給与能率推進室)

ご質問 (3)について

(総務省自治財政局交付税課)

◆厚生労働省からの電話回答

2022年1月21日に、厚生労働省人事課から、電話で、以下の回答を得ました。

【厚生労働省人事課の回答】

要望書は11月30日に収受し、人事課にも同日に到着している。人事課の回答は、次の通りです。

  1. そもそも、会計年度任用職員制度は、総務省の所管なので、厚生労働省で取り扱う部局はなく、回答が難しい。
  2. 会計年度任用職員制度についての要望であるため、厚生労働省ではお答えできない。
  3. 会計年度任用職員は自治体職員なので、そちらも所管は総務省です。
  4. 個別の事例については、労働基準監督署で対応することもありうるので、その場合はご相談ください。

※質問及び要望事項の要旨

(質問)

1.会計年度任用職員制度移行時の不利益変更への対応について

(1)一部であっても、制度の趣旨に沿っていない運用が見られた自治体について、その後の是正状況について、国として把握されているのかをご教示ください。

(2)はむねっとの調査からは、「年収も月収も減ったと回答しているのは118名(14.4%)」。このような「年収も月収も減った」という待遇面の変化は、制度の趣旨に沿った運用なのかどうか、国のご見解をお聞かせください。

(3)会計年度任用職員制度の施行に伴う期末手当の支給等に要する経費について、地方交付税措置を講ずることとされていましたが、令和2年度における執行額及び執行率を教えてください。

(要望)

2.会計年度任用職員制度の制度設計がもたらす課題の把握と改善について

(1)継続して必要とされる職について、会計年度で任用を限るのではなく、一般の労働法制にある「無期転換権」の導入などの、制度設計を検討してください。

(2)はむねっとの調査では、会計年度任用職員の女性ではフルタイムでも約4割が年収200万円に満たないことがわかっています。約8割は250万円未満です。正規職員と非正規公務員の給与等の均等待遇を検討してください。

厚生労働省からの回答