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連合通信 隔日版 3月25日号 誇り持って働き続けられるか/自治体職場の非正規公務員/コロナ禍と会計年度職員制度で

(通信記事より)

◇手取り10万円では無理 藍野美佳(婦人相談員)
 家庭内暴力(DV)に関する相談が多く、行政が命の最後のとりでになっている。当事者の人生はそれぞれで、支援内容にマニュアルはなく、さまざまな知識とスキルが要請される専門職である。私は週30時間働き、手取りで月10万円ほど。8年働いているが、昇給も退職金もない。それでも自腹で書籍を買って勉強し、研修も自費で受けてきた。コロナ禍の下、DVや虐待はもっと増える。当事者と伴走するためにも学習が必要で、月10万円ではとても無理。やる気だけではできない仕事だ。賃上げを交渉してみたけれど、却下された。被害者のことを考えると、この仕事を辞めたくはない。でも転職を考えざるを得ないかもしれない。

◇委託で利用者置き去り 中尾光江(守口市学童保育員労組書記長)
 学童保育の指導員というと、「子どもと遊んでいるだけ」とみられがちだが、子どもたちの成長に関わる専門性の高い職業だと考えている。
 一昨年、共立メンテナンスに民間委託された。昨年3月には、学校が一斉休校になる中で学童は、非正規職員とアルバイトだけで開いた。消毒用アルコールもマスクも不十分で、子どもたちの感染防止に必死になって働いた。
 そんな時に雇い止めを通知された。「会社に反抗的」など身に覚えのない理由だった。誇りを持って働いてきたのに、くやしくて、つらくて。
 現場は子どもや親が置き去りになっていて、緊急事態宣言下ではおやつも出なくなったと聞いている。
 雇い止めされた職員のうち、ベテランの10人は裁判提訴し、労働委員会にも申し立てて闘っている。

◇市場化と福祉両立せず 三浦かおり(介護・福祉ユニオン共同代表)
 保育士からの相談を多く受けている。この20年で株式会社の参入や民間委託などの市場化が進み、現場に影響している。
 コストカットが重視されるようになった。1人で多くの子どもの面倒をみることになって余裕がなく、怒鳴ってしまうことも。おもちゃを買ってもらえなくなったとか、栄養士作成のメニューをやめたため、子どもの食が進まなくなった話も聞いている。そんな事態が広がっている。
 最近は、保育の質が壊されることに異議を唱える動きも起きている。ストを打つ職場が出てきたし、団体交渉で増員を実現した成果もある。
 コスト重視だと、突然閉園することがある。私たちは父母と協力して自主運営し(次の園が決まるまでの間を)つなぐこともした。市場化と福祉は相反するものではないか。根本的に問い直す時期に来たと思う。

◆非正規公務員「副業ないと生活できない」コロナで増す負担と1年雇い止めの恐怖
飯島裕子 | ノンフィクションライター
3/23(火) 8:21

◆NHK 非正規公務員「新型コロナ影響で業務負担増 待遇改善を」
2021年3月21日 13時03分