公務非正規労働従事者への緊急アンケート調査 オンライン報告会開催について

<つながる。拡がる。「共有会見」~公務非正規労働従事者への緊急アンケート結果から、行動へ!>

全国の公務非正規労働に従事している方々を対象に、緊急Webアンケートを4月30日(金)から6月4日(金)に実施し、全国47都道府県から1000人を大きく上回る当事者の声を集めました。

この調査は、全国の公務非正規労働に従事する幅広い職種の方を対象とした初めての調査で、当事者が呼びかけ、直接、個々の当事者が回答したものとして、初のアンケート調査になります。

★調査結果はこちらから

7月5日に開催した調査結果発表記者会見では大きな反響がありました。2020年度に始まった会計年度任用職員制度の問題点やコロナ禍での公務非正規労働従事者の声を明らかにした調査結果を、調査に回答してくださった方々、そして、さまざまな立場の市民の方々と共有する時間をつくります。ぜひ!ご参加をお待ちしています。

■日時|7/17(土)午後6時30分~8時

■会場|オンライン(Zoom)/先着80人

■申込締切|7/16(金)

■参加費|無料  

■参加申込フォーム|こちらから(グーグルフォームに飛びます)

はむねっと語り場 Vol.2 開催のお知らせ

公務非正規女性全国ネットワークはむねっとは、公務非正規の経験者同士が、経験を共有しあい、互いに交流すること、また、公務非正規の問題を発信していくことを目的に、語り場を開催しています。
第2回目となる次回は、ハローワーク相談員の方からお話をいただき、その後、参加者同士で意見交換、経験の交流の機会を持ちます。
みなさまのご参加お待ちしています。

◆日時 2021年7月4日(日)10時~12時
◆話題提供者 ハローワーク相談員
◆リアル会場(スタジオポット)
※会場の人数制限があるため、基本、オンライン参加をお願いします。
※オンライン参加がむずかしいなどの事情がある方はご連絡ください。
◆オンライン Zoom 申込制(※参加費無料)
◆参加申し込みフォーム
https://forms.gle/7cvjXGT1UZcEoD9P8

■お問合せ先・主催
公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)
hiseiki.koumu@gmail.com

公務非正規労働従事者への緊急アンケート結果 記者会見を開きます

この度、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)主催で、「公務非正規労働従事者への緊急Webアンケート」の調査結果報告会を開催させていただきます。


私たちは、2019年9月22日の「<女性>から考える非正規公務問題」シンポジウム、2021年3月20日の緊急オンライン集会「官製ワーキングプアの女性たち コロナ後のリアル」(主催・同実行委員会)の開催を準備していく過程で明らかとなった公務非正規労働従事者の課題を継続して社会に訴え、解決策をさぐるため、公務非正規労働の問題について取組む当事者を中心としたネットワーク、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)を立ち上げました。そして、4月30日(金)から6月4日(金)に、全国の公務非正規労働に従事している方を対象に、緊急Webアンケートを実施し、全国47都道府県から1000人を大きく上回る当事者の声を集めました。

この調査は、全国の公務非正規労働に従事する幅広い職種の方を対象とした初めての調査で、当事者が呼びかけ、直接、個々の当事者が回答したものとしても初のアンケート調査になります。2020年度に始まった会計年度任用職員制度の問題点やコロナ禍での非正規公務労働従事者の声を明らかにした調査の結果を、是非お聞きいただき、広く報道いただければと思います。

◆日時 2021年7月5日(月)午前11時から約1時間
◆場所 厚生労働記者会(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館9F)
◆進行予定
1)主催挨拶
2)調査結果概要説明
3)質疑応答
配布予定資料 調査結果概要

※本会見に関する発表資料のHP上での公開は、本会見後を予定しております。

緊急要望書に対する回答がありました

緊急要望書「非正規公務員の統計から性別集計の表示をなくさないでください」に対する回答がありました。

2021年5月4日に河野太郎内閣人事局国家公務員制度担当大臣と武田良太総務大臣に提出した要望書の回答を、6月14日に電話で確認し、以下の回答を得ました。

【要望書要旨】

4月23日に、衆院内閣委員会で、河野太郎国家公務員制度担当相が、国民民主党の岸本周平議員とのやりとりの中で、内閣人事局ホームページに掲載されている「非常勤職員在職状況統計表」の非常勤職員数を示す欄の「うち女」との表記を訂正する考えを示した、という新聞報道に接し、大臣が、「修正させます」と応答しておられたことを確認しました。

(※委員会では、岸本議員が、セクシュアルマイノリティのことを考えれば、そもそも男女別にする必要はない、処遇に違いはないのだから、と話し、大臣が、「お恥ずかしい限り」、「修正させます」と応答していました)

私たちは、このやりとりを聞き、非正規公務員統計から、性別集計がなくなるとしたら、それは非常に大きな問題だと考え、この問題に取り組むネットワークとして、急ぎ本要望をまとめました。

非正規公務員の置かれている現状を把握し、改善に取り組む際、性別集計は不可欠なデータです。国や地方自治体で働く非正規公務員のうち、その約8割は女性です。こうした事実は、この問題の背景に、性別による格差の問題があることを明らかにしています。

要望事項

1.非正規公務員の待遇改善に向けた取組を進めていくためにも、「非常勤職員在職状況統計表」をはじめとした公的な統計から、性別集計をなくさないでください。

2.性別格差の現状を踏まえ、非正規公務員の根本的な待遇改善を進めてください。

【内閣人事局の回答】

要望書自体が行方不明ということで、口頭で1の要望項目を伝え回答を得ました。

「非常勤職員在職状況統計表」の非常勤職員数を示す欄の「うち女」を「うち女性」と改め、既に修正済み。性別統計は必要な統計項目なのでなくすつもりはない。

【総務省自治行政局公務員部公務員課の回答】

要望書は5月6日に収受し、自治行政局には5月13日に到着している。公務員課の回答は、次の通りです。

1.公的な統計から、性別集計をなくす予定は特段ない。

2.適正な任用に向け、会計年度任用職員制度に制度改正を行った。運用状況についてはヒヤリングを続け、適正な運用を行うよう努める。

はむねっととして現在アンケート集計を行っているが、会計年度任用職員制度については相当ひどい運用がされている事例がある。きちんとヒヤリング調査をしてほしいと要望したところ、色々な事例があるのは承知しているとのことでした。適正な運用について念押しをして電話を切りました。

★終了しました★

公務非正規労働従事者への緊急アンケート調査概要

 2021年3月20日に開催した緊急集会「官製ワーキングプアの女性たち コロナ後のリアル」の実行委員有志で「公務非正規女性全国ネットワーク」がスタートしました。昨年4月から導入された会計年度任用職員制度については、緊急集会で集まった賛同メッセージにも、現場の切実な声がたくさん寄せられました。集会から間を置かず、アンケートを実施することによってより明確に、会計年度任用職員だけでなく非正規で公務労働にかかわる当事者の生の声をお聞きしたいと考えました。性別にかかわらず、調査にご回答ください。
 アンケート結果は、個人を特定しないかたちで、6月末を目途に集計し、ホームページで公表し、広く発信していきます。更に、結果をもとに次の詳細調査につなげていきたいとも考えています。
 アンケートに、みなさんの声・経験をどうぞお寄せください。また、周りの方々にも転送し、回答を呼びかけていただけると幸いです。

■対象者:現在、非正規で公務労働に従事している方(既に退職された場合でも、2019年4月から2021年4月の間に在職されていた方を含みます。また、会計年度任用職員などの自治体直接任用の方に限らず、指定管理者制度のもとで働く方などを含みます)
■回答締切:2021年6月4日(金)23:59 まで

調査への回答は、こちらから。

調査票(PDFファイル)のダウンロードはこちらから。

調査票(Wordファイル)のダウンロードはこちらから。

「非正規公務労働従事者への緊急アンケート調査」を終了しました!

はむねっと祝いおせんべい

4月30日から始めた緊急アンケート調査ですが、はむねっととしての広報、協力依頼に呼応いただいた個人や団体の方々のご協力をはじめ、全国紙等に取り上げていただいたこともあり、最終的には、6月4日23時59分で締め切った段階での回答者数は、1,305名でした。

この後、寄せられた回答を精査し、集計して、6月末をめどに公表いたします。

まずは、無事に調査を実施できたこと、当初の目標を大幅に超える規模の調査となったことを、全国の調査回答者とご協力者のみなさまに対して、ご報告とお礼を申し上げます。ありがとうございました。

そして・・・。

公務非正規で働きながら、今回、初めて、私たちにつながってくださったみなさま、回答は、十分な注意をもって、大切に扱います。引き続き、はむねっとの活動を見守ってください。一緒に活動したいと申し出てくださった方々、これからよろしくお願いします。

公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)へのカンパ受付中♪

私たちの暮らしに身近なところに、公務非正規女性は働いています。でも、それほど、その存在や働きを知られていません。はむねっとでは、公務非正規女性が声を上げていくことで、すべての住民にとって大切な公務のあり方を考え、必要な待遇改善を訴えていきます。賛同される個人・団体の方は、ぜひ、カンパをお寄せください。

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公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)の趣旨に賛同していただける団体・個人を広く募っています。

以下のフォームから登録をお願いします。

はむねっとへのカンパ申込書フォームはこちらから

無理のない範囲で、賛同金をお寄せください。お寄せいただいた資金は、はむねっとの活動で使用する会場利用料、オンライン環境設定支援などの経費にあてさせていただきます。

振込み先は、下記になります。通信欄に「はむねっとへのカンパ」とご記入ください。

 ゆうちょ銀行口座
 記号11390 番号12845081
 他行からの振り込みは 店名一三八(イチサンハチ)
店番138 普通預金  口座番号1284508

 名義 公務非正規女性全国ネットワーク

公務非正規女性全国ネットワーク憲章(はむねっと憲章)

わたしたち「公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)」は、だれもが安心して公共サービスに従事するとともに、だれもが安心して公共サービスを受けることができる社会を目指すため、以下の憲章を守りながら活動を進めることをここに宣言します。

1.はむねっとは、公務非正規女性、公務非正規従事者の声を大切にします。同時に、公務非正規の経験者やこの問題に取り組む必要を感じている個人の意見を尊重しながら活動を進めます。

2.はむねっとは、「当事者」を以下のように定義します。狭義の当事者を、現職の公務非正規従事者とし、広義の当事者を、元職、及び、公共サービスを受けている/受ける市民全体を指します。

3.はむねっとは、公務非正規従事者の待遇改善を求めますが、それは、正規公務職員の待遇を下げることで待遇格差を埋めるのではなく、公務非正規職員の待遇を上げる方向での格差改善を求めていきます。

4.はむねっとは、公務非正規女性、公務非正規従事者の待遇改善を実現することが、正規公務職員の働きやすさにもつながっていくものと信じています。

5.はむねっとは、公務非正規従事者が多くを占める職場で働く公務正規職員の負担の大きさにも、光が当てられることを目指します。

6.はむねっとは、当面、公務非正規領域の仕事に従事する女性たち、働き手、また、この問題に関心を寄せる個人をベースとした活動を進めます。

7.はむねっとは、狭義の当事者の声を集めて、広義の当事者である社会全体への呼びかけを行いますが、狭義の当事者がはむねっとの活動に参画しづらい状況下にあることも十分に認識して活動を進めます。

8.はむねっとは、会員の中には、来年や2年先の予定が立てられない狭義の当事者がいることに留意しつつ、可能な範囲で活動に参画できるよう、運営の工夫や改善をしつづけます。

9.はむねっとは、当面、公務非正規領域の仕事に従事する女性たち、働き手、また、この問題に関心を寄せる個人を会員として活動しますが、活動に賛同する団体との連携やサポートを受けながら、広く社会に向けた活動も目指します。

はむねっと語り場vol.1

3月20日に開催した緊急集会「官製ワーキングプアの女性たち コロナ後のリアル」に登壇してお話された学校司書の中村由美子さん。学校司書のやりがいや必要性、それから、ストライキを試みた初めての学校司書としてのお話もされました。この日は、他のスピーカーのお話もあり、限られた時間であったため、「もっと聞きたかった」という声が多く聞かれました。

そこで、はむねっとでは、改めて場を設定し、おひとりのお話をじっくり聞き、そして、お話を伺ったメンバーとの対話の場を設けようと、5月15日に、はむねっと語り場vol.1を開催しました。初回ということもあり、半クローズドの形で開催しました。

せっかくのお話ですから、スピーカーのご了承を得て、みなさんに共有できればと、はむねっとホームページ上に要約的に報告をあげることにしました。

【プログラム】進行などの案内

1.中村さんのお話

休憩

2.参加者とトーク

3.まとめ

はむねっと語り場vol.1

1.中村さんのお話

私は、現在、平日5日間、1日6時間45分拘束の、6時間勤務(+45分休憩)で働いています。以前は、非正規でも専門職として働いていたのですが、今は、会計年度任用職員という立場です。平日はすべて私が図書室にいるので、子どもたちは、図書室に行けば必ず私に会えるということになります。現在の勤務先は、児童数が約700名と、地域の中でも大規模校です。休憩時間には100人くらいの児童が図書館に押しかけ、200~300冊が貸し出されます。

学校には、たくさんの先生方がおられますが、「司書」という肩書は私だけです。子どもたちには、中村先生と呼ばれることもありますが、「司書さんと呼んでくれるとうれしいな」と伝えることで、司書という存在を覚えてもらうようにしています。子どもたちには、将来、司書が「書を司る人間なのだ」と気が付いてもらえればという希望もあります。

学校司書の仕事は、子どもたちの保護者からの「うちの子、読書をしないんです」といったご相談から、子どもが教室に居づらくて、図書室に来るときの対応まで幅広く、また学校で教える内容を超えて、子どもたちそれぞれの興味にあった本との出会いを探ることなども含まれます。読書をまったくしないだけでなく、じっと座っていることも難しかった子どもが、自分にあった本を手にすることで座って読むことができるようになったり、本を好きになったりすることが、大きな喜びです。

保健室に行くほどではないけれど、毎日開いていて毎日同じ司書がいる学校図書館は、子どもたちにとって大事な居場所です。

直接雇用で働いていることで、子どもたちのバックグラウンドを踏まえた支援や接し方をすることができます。また、使用者である教育委員会から、合理的な配慮が必要な子どもへの対応が業務の一環であるとされており、その接し方などのための専門の研修を受けることもしています。

小学校の前に、中学校で司書をしていました。その時に、今でいうパワハラとマタハラに遭い、懲罰研修を受講させられ、自主退職に追い込まれそうになったことがありました。先輩や組合の力を借りて、辞めることなく、出産をして育休もとり、職場復帰することができました。当時から6年雇い止め、6年目に再試験で受かれば、また新たに採用という形でした。試験では、一切経験は考慮しないと言われていて、再試験を受けた中で、私だけが不採用になりました。組合活動をしてものをいうから切られたと交渉し、3月末にストライキを一人で行い、再試験をうけ、ぎりぎりのタイミングで採用を勝ち取りました。

その経験から思うのは、雇用止めで泣き寝入りした人が今までたくさんいたこと、非正規とはいえ、専門職(特別職)だったことで、ストライキ権が合法であったことです。しかし、2020年度から始まった会計年度任用職員という今の立場は、ストライキ権を失ってしまっています。このことが、当事者たちにあまり意識されていないことについて、ストを打って辞めずに済んだ私は深刻に考えています。

そんな経過もあり、図書館ユニオンの学校司書分会を立ち上げて、分会長を務めています。労働運動の大切さや、私たちの持つ権利を勉強しながら、仲間を増やすとともに、処遇改善に向けた活動を行っています。

これまで学校司書として、中学校、小学校で働いてきて思うのは、そこで接した生徒たちに、「司書さんのお陰で、学校に来ることができた。図書室に来ることができたお陰で、学校を卒業することができた。もし、それがなかったら、今の私の生活はない」と言ってもらう経験をし、学校の中で、司書のいる意味を広げること、子どもたちにもワークルールを学ぶ場を提供することの必要性を痛感しています。

学校司書仲間の中には、1校に専従するのではなく、2校や3校を掛け持ちしている人もいます。でも、毎日、同じ人が図書室という同じ場所にいることが持つ意味、毎日同じところにいることで子どもたちにできる支援があることをより広い人たちに理解してもらい、利用者である子どもたちのための環境整備を進めていかなければならないと強く思っています。

2.参加者とトーク

中村さんのお話を聞いて、以下のような意見や感想、今後の課題が出ました。

  • 公務では専門性に重きを置かない。
  • 専門性と労働者性の関係、労働条件はかえって悪くなってきている。
  • 女性が培ってきた専門性を軽視、非正規公務員も職種ごとにギルドをつくり、ストライキをして待遇改善につなげないと
  • アメリカ移民労働者たちの初のストライキを描いた『パンとバラ ローザとジェイクの物語』を紹介。キャサリン・パターソン/著  岡本 浜江/訳  偕成社
  • 会計年度任用職員制度が始まり、この立場になった人からは、「ボーナスが出るようになったから、いいじゃない」と言われることも。そして、ストライキを経験したことのある人が減っていること、そもそも組合組織率が下がっていることで、団体交渉を知らない人が増えている。スト権がはく奪されていることの意味を、別途勉強会などを通じて広げていくことが重要ではないか。
  • 会計年度任用職員制度のスト権がない問題については、別の研究会でも、取り組んでいる人がいるので、連携できるとよい。
  • 「(雇用が不安定であることで)専門性が失われる」と書いたことがあったが、「専門性」の具体的内容が今日の話でよくわかった。

3.まとめ

小規模で、半分クローズドでの開催でもありましたが、中村さんのお話を聞いて、参加者は、こういった語り場の重要性を再認識することになりました。今後も、はむねっと語り場を継続していければと思った次第です。